僕には謝りたい人がいます。
昔お世話になっていた方に、不義理を働いてしまったことがあります。
当時の僕は情けないことにその方に直接謝ることも出来ませんでした。
そして一度も会うことなく、謝罪もできずに今日を迎えています。
…
「渋谷で働く社長の告白」
という本をご存知でしょうか。
サイバーエージェントの社長の藤田さんが書いた本です。
自分はこの本が好きで折に触れて読んでいるのですが
その中で、藤田さんが学生時代にお世話になった先輩についての描写があります。
藤田さんが学生時代にアルバイトをしていた会社の上司で
藤田さんはその方を尊敬していたそうです。
仕事もバリバリこなす上に、藤田さんに対しても丁寧に接してくれて
その先輩から学んだことは計り知れないと。
映画も本もその人が勧めたものは全部見ていたそうです。
上司の方の影響を受けて。いや。むしろ映画や本について話をしたいがために。
公、プライベート共に、その上司の方から受けた影響は計り知れないそうです。
そこから時が流れ、藤田さんは就職し、その先輩の教えを元にバリバリと仕事をこなし、1年目から圧倒的な活躍をします。
そして、独立して会社を興すときがきました。
当然藤田さんはその上司の方に
「一緒に会社をやりましょう!」
「ぜひ社長になってください!」
と真っ先に声をかけます。
しかし…
結局その上司の元同僚でありライバルである別の人の出資を受けて
勝手に藤田さん一人で会社を興してしまったのです。
「上司の方を2度も裏切ってしまった」
と藤田さんが述懐しているとおり、
藤田さんと上司の方はそれ以来疎遠になり
藤田さんが謝罪の面会を共通の知人づてに申し込んでも断られた。
そんなエピソードが載っています。
初めてこの描写を読んだとき、ピンと感じなかった自分は
お世話になっていた方と仲違いして以来読むたび胸が苦しくなります。
その方に不義理を働いたことに申し訳ない気持ちでいっぱいになるからです。
…
誰しも人生で一度は誰かに対して不義理を働いたことがあるかと思います。
自分はそうです。
そして自分はそのことに対して、ずっと負い目を感じて生きてきました。
今はまだ謝ることが出来ていませんが
将来謝ることができたらと思い、今日まで懸命に頑張ってきました。
いつの日か、その方に謝罪できればという気持ちで、今も活動しています。
その方が自分のことをどう思っているかはわかりません。
「もう二度と見たくない」「関わりたくない」
と思っているかもしれません。
きっとそうなのだと思います。
自分が逆の立場であれば
「もう二度と関わらないでほしい」
と思うからです。
そんな自分に謝る資格などないのかもしれません。
いま自分にできるのは、今目の前の活動を頑張ることなのだろうと信じています。
今の活動を必死で頑張り、
その方に自分を見つけてもらった時。
その時が、先輩に改めて謝罪するべき時なのかもしれません。
いつの日か
「ごめんなさい」
と言える日がくることを信じて、今を精一杯駆け抜けたいと思います。
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